卯年祭り
5月4日。12年ごとに卯の年に行われる卯年大祭御幸渡行がおこなわれた。魚野川の大洪水をきっかけに、卯年には災害や凶作が多いことから、無病息災、五穀豊穣を神に祈り、300年前から続いているお祭りである。コロナと人口減少のため依然と比べると規模は半分に縮小してしまったが、近隣10ヵ村が参加し、400名近い人たちが神様とともに村々を回る。集落の集会所には、代々の祭りの写真が飾られ、若かりし頃の自分たち、今は亡き父母、祖父母、村人の姿がそこにある。高齢化と人口減少で環境は変わり、祭りの開催も危ぶまれるようになった。数十年後には、我々とは何のゆかりもない人々がこの場に集うのかもしれない。ただ今は、昔と同じように無病息災五穀豊穣を神に祈り、昔と同じように鎮守の前に集まって集合写真を撮り、我々は日々の営みを繰り返す。


